1993年7月、アメリカ中西部と東海岸部では、摂氏40度を越える暑さで何千人もの人が卒倒し、733人が死亡しました。この猛暑での死亡があまりにも劇的だったため、新聞には戦死するアメリカ兵のように、死亡者累計が記載されたぐらいです。
「死亡者や入院患者の半数は、エアコンを持っているのに、なぜこんなに多くの人が猛暑にやられたのかわからない」とペンシルバニア州の医療検査官は語っています。
確かに日陰でも摂氏40度を越える砂漠地帯に何百万人もの人が住んでいることを考えると、奇妙なことです。彼らはエアコンも持っておらず、熱で死亡することはありません。遺伝的な抵抗力の違いなのでしょうか?
この災害の原因は明白でしたが、医療専門家は誰一人として適切な警告を発しなかったようです。しかし、ワラック博士は、アフリカのカラハリ砂漠で過ごした体験から、基本的な生理学と病理学にかなり精通していたため、酷暑による死亡が、何よりも塩やナトリウムの不足によって引き起こされることを知っていました。ボーイスカウトも理解していることですが、熱射病は塩と水で回復可能なのです。なので、単なる塩分不足でたくさんの命が奪われたのです。実際、この酷暑で死亡した人のほとんどは、塩の摂取を規制する食事療法を行っていたそうです。
この猛暑の災害から一週間後に、診察医は「死亡、入院の原因は、心臓病と高血圧にあった」と公表しました。しかし実情は、死亡した人の多くは低塩や無塩食事療法を行っており、回復した人は「海水」の点滴を受けていたようです。
実はこの海水の点滴、私は受けたことがあるんです。数は少ないのですが病院で受けられます。私の場合は注射程度の量でしたが。以前から海水を注射する療法の存在を知っていたので、好奇心から受けてみました。何か疾患があったわけではないので、実感はありませんが、異常が起きることもありませんでした。
話がそれましたが、塩分は体にとって非常に大切なのです。
続く