微量ミネラルの働き

微量ミネラルの一日に必要な摂取量は100mg以下とされていますが、実際には50mgから数百マイクログラムというごく微量のものまであります。しかし、微量ではあっても、多くの酵素に組み込まれて、生命活動に絶対に欠かせない重要な働きをしています。

そのうちの代表的なものとして、亜鉛、マンガン、クロム、銅、鉄、モリブデン、セレン、ヨウ素などの主な働きを書いていきます。

亜鉛

体内で酵素を活性化するのに不可欠な有力ミネラルで、約350種類の酵素に関係するといわれます。それらの酵素はタンパク質の合成、免疫システムへの関与、インスリンを始めとするホルモンの分泌などに関与しています。
このミネラルの欠乏症としては、味覚異常、脱毛、爪の異常、性的能力の低下、糖尿病などが挙げられます。
特に最近は、亜鉛に活性酸素の害を消す酵素を活性化する働きがあることから、老化やがん、生活習慣病を抑制する効果に注目が集まっています。また、亜鉛が不足すると、精神が不安定になり、うつ病のような症状が現れることもわかっています。

一日の摂取量は9mg、妊娠中は12mgとされています。

マンガン

酵素の活性化により、炭水化物や脂質の代謝を行うのに重要な働きをします。活性酸素を消す酵素を活性化数る働きも強力です。
マンガンが不足すると、性ホルモンの合成機能が低下したり、骨形成不全、筋無力症、糖尿病などを引き起こします。

一日の摂取量は4mgとされています。

クロム

このミネラルは、糖質のエネルギー代謝と関係があるといわれます。すなわち、膵臓でつくられるインスリンと結びついて、血糖値を下げる働きがあるのです。インスリンはクロムがなければ活性化せず、ブドウ糖を筋肉や肝臓の細胞に取り込むことはできません。
一日の摂取量は、35マイクログラムほどです。

ヘモグロビンと鉄の結合を手助けするミネラルで、結果として貧血を改善する効果を持っています。また、銅はカタラーゼのような活性酸素を消す酵素の働きにも欠かせないミネラルです。
その他にも、コラーゲンの生成やメラニン色素の生成に必要な酵素の働きにも関係しています。

一日の摂取量は、1.8mgほどです。

成人の体内に4~5gほど存在していますが、その60~70%が、血液中のヘモグロビンという色素タンパクの中に、ヘム鉄という形で含まれています。このミネラルが不足すると、十分に酸素が供給されず、貧血を起こしやすくなります。また、免疫力も低下して、口角炎や舌炎など粘膜の異常も起きやすくなります。さらには、鉄は活性酸素を消す酵素カタラーゼを活性化しますので、老化や生活習慣病、アレルギーなどの予防や改善にも有効です。

一日の摂取量は、11gとされています。

モリブデン

アルデヒドオキシターゼ(アルデヒドを酸化してカルボン酸に変える)などの酸化酵素の働きには欠かせないミネラルですが、過剰に摂取するとどうの排出を促進してしまい、銅欠乏症を引き起こしてしまいます。

一日の摂取量は、とくに決められていませんが、100マイクログラムが適量と考えられています。ごく微量なので普通の食事で不足する心配はありません。

セレン

抗酸化酵素の構成成分として知られています。とくに過酸化脂質を分解する抗酸化酵素の一つであるグルタチオンペルオキシターゼの活性化に重要な役割を果たしています。がんの抑制効果も、たいへん注目されています。
セレンが欠乏すると、不妊などビタミンEの欠乏症と似た症状が現れます。また、白内障や脱毛にも関係していることがわかってきました。

一日の摂取量は、アメリカでは、0.05~0.2mgとされています。

ヨウ素

甲状腺ホルモンの原料となり、不足しても過剰になっても甲状腺腫を引き起こす原因となるミネラルです。
これが不足すると、脱毛や皮膚の異常をはじめ、体力の低下、成長障害などの欠乏症が現れます。とくに妊婦時に不足すると、死産や流産を招く心配もあります。

一日の摂取量は、1~3mgが安全な量とされています。

関連記事一覧

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。